小法師(読み)コボウシ

デジタル大辞泉 「小法師」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぼうし〔‐ボフシ〕【小法師】

年若い僧。
中世近世御所に出入りし、掃除などをした身分の低い者。

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精選版 日本国語大辞典 「小法師」の意味・読み・例文・類語

こ‐ぼうし‥ボフシ【小法師】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 小さい法師。年若い僧。また、修行中の下級の僧。ささほうし。
    1. [初出の実例]「こほふしばらの、持ちあるくべうもあらぬに、屏風のたかきを、いとよく進退して」(出典:枕草子(10C終)一二〇)
    2. 「まだこ法師にてのをり、山よりくらまへまゐり給けり」(出典:古本説話集(1130頃か)六八)
  3. 中世、近世に宮中清掃などの雑役を行なった身分の低い人。〔随筆・遠碧軒記(1675)〕

ささ‐ほうし‥ホフシ【小法師】

  1. 〘 名詞 〙 年の若い法師。小僧。こぼうし

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小法師」の意味・わかりやすい解説

小法師
こぼうし

通常は年若い僧をさす語だが、別に中世から近世にかけ、禁裏(きんり)御所の庭園の清掃、植樹庭木の手入れなどに使役された賤民をいう。中世末には御庭者(おにわもの)、河原者と表記された例があり、荼毘(だび)のことにもかかわっている。江戸時代は、山城国の天部(あまべ)・蓮台野(れんだいの)両村から務め、7石の扶持を受けた。一時召上げとなり大和国の7か所で務めたが、18世紀後半には両村に戻された。正月・八朔(はっさく)には麻裃(あさかみしも)を着て御紋つきの箱提灯を持ち、禁裏へ藁箒(わらぼうき)を献上した。別に禁裏に筆を献上する筆師も小法師といった。

朝尾直弘

『辻ミチ子著「小法師」(京都部落史研究所編『近世の民衆と芸能』所収・1989・阿吽社)』

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