円楽寺(読み)えんらくじ

日本歴史地名大系 「円楽寺」の解説

円楽寺
えんらくじ

[現在地名]中道町右左口

七覚しつかくの東部にある。七覚山と号し、真言宗智山派。本尊薬師如来。江戸時代は真言宗醍醐寺報恩院末で、真言宗檀林七ヵ寺の一つであった(甲斐国志)。大宝元年(七〇一)役小角の草創と伝え、神亀元年(七二四)に行基が堂宇を再興したという(寺記)桓武天皇の時代には国家鎮護祈祷の道場に列せられたという(中道町史)。文武三年(六九九)伊豆島に流された役小角が富士山に登って修行した話は「日本霊異記」上二八にみえ、小角は九一色くいしき郷から一二ヵ所の行場を越えて富士山登山道を開いたと伝える(中道町史)。富士の北麓二合目にある小角が開いたという行者堂は当寺が管理をし、のちには登山者に金剛杖を施与した。当寺は金剛智院善勝ぜんしよう坊とも称し、五社権現(現五社神社)別当寺であった。寺域にある五社権現を上宮と称し、北方山麓に下宮があり王子権現(現王子神社)を祀った(同書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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