冠纓神社(読み)かんえいじんじや

日本歴史地名大系 「冠纓神社」の解説

冠纓神社
かんえいじんじや

[現在地名]香南町由佐

さんはら鎮座。祭神仲哀天皇・応神天皇・神功皇后、旧県社。近世までは冠尾かむりお八幡宮と称し、別当寺は天福てんぷく寺。「全讃史」に載せる社伝によれば、貞観三年(八六一)円珍が山城石清水いわしみず八幡宮の分霊を勧請したのが創祀という。しかし冠尾八幡宮由緒にはこのことは記されず、阿倍晴明の後裔阿倍氏が代々神主を勤めてきたこと、由佐氏に代々保護されたきたとのみあり、建長六年(一二五四)の造替、暦応(一三三八―四二)の修復、応安年中(一三六八―七五)細川頼之武運を祈り再興したこと、明徳年中(一三九〇―九四)の再興、永享九年(一四三七)の修復などを記し、「応仁砌、大夫・惣官等軍役ニ連、其職次第退転、其以後山伏・乞食法師撫を以、有勤斯職、此以来寛永年中迄、神事疎也」とも記している。一方「細川岡城記」には細川頼之が延文二年(一三五七)おか屋形を造営した時、守護のため一里四方に神祠を配して四方権現と称し、その中央に石清水八幡宮を勧請、「ママ清水八幡の冠纓をこひ請斎籠に因て、冠纓八幡宮と号せり」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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