朝日日本歴史人物事典 「冷泉為守」の解説
冷泉為守
生年:文永2(1265)
鎌倉時代の歌人。法名,暁月。教月とも。権大納言藤原為家と阿仏尼の子。冷泉為相は同母兄。二条為氏,京極為教は異母兄。子の教兼,為守女も勅撰歌人である。正五位下侍従に任ぜられたが,延慶3(1310)年以前に出家,浄土宗か(『正徹物語』)。兄為相との繋がりが深く,しばしば鎌倉に下り,嘉元1(1303)年将軍久明親王家千首,延慶3年為相家歌会などに出詠。時宗2世他阿真教とも親しく,夢窓疎石とも交渉があった。誹諧歌的な詠風を好み,連歌をも嗜んだ。後世狂歌師の祖と目され,多くの逸話を伝えるが,現存する『狂歌酒百首』の作者とするのは疑問である。花下連歌の指導者京月(敬月,鏡月,教月)と混同されることも多い。
(田仲洋己)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報