出世間(読み)シュッセケン

デジタル大辞泉 「出世間」の意味・読み・例文・類語

しゅっ‐せけん【出世間】

仏語。俗世間煩悩ぼんのうから脱して悟りの境界に入ること。出世
世間の俗事から離れて超然としていること。

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精選版 日本国語大辞典 「出世間」の意味・読み・例文・類語

しゅっ‐せけん【出世間】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。俗世間の生死煩悩解脱して悟りに達すること。また、現世界を超出した無為の解脱の法のこと。出世。
    1. [初出の実例]「終にかねをはなれ、わざを忘れ、心味の無味に帰する出世間法なり」(出典:南方録(17C後)墨引)
    2. [その他の文献]〔勝鬘経‐一乗章〕
  3. 世間の俗事にわずらわされないで、超然としていること。
    1. [初出の実例]「往時は世間の契を籠め今は出世間(シュッセケン)の交りを結ぶ」(出典:二日物語(1892‐1901)〈幸田露伴〉彼一日)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出世間」の意味・わかりやすい解説

出世間
しゅっせけん

仏教用語。煩悩などのけがれに汚染された,この世界のすべての存在世間というのに対し,それを超越しているものをさす。たとえば,仏教以外の哲学思想 (外道) は執着を離れていない世間的な智に基づくものとみる。これに対し,仏教の説く,執着を断った超越的な智を出世間智とする。

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