出文机(読み)イダシフヅクエ

デジタル大辞泉 「出文机」の意味・読み・例文・類語

いだし‐ふづくえ【文机】

書院窓に造りつけた机代用の棚。出文棚いだしふみだな。いだしふみづくえ。だしふづくえ。

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精選版 日本国語大辞典 「出文机」の意味・読み・例文・類語

いだし‐ふづくえ【出文机】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「いだしふみづくえ」とも ) 「付書院(つけしょいん)」の古称
    1. [初出の実例]「出文机の明障子を、あけまうけて」(出典:法然上人行状画図(1307‐16頃)七)

だし‐ふづくえ【出文机】

  1. 〘 名詞 〙 床の間の脇につけた窓のところに、幅六尺(約一八〇センチメートル)奥行き二尺(約六〇センチメートル)ぐらいの板を、文机の高さに出窓形式でつくりつけた棚。これを机の代わりとした。いだしふづくえ。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「出文机」の解説

出文机
いだしふづくえ

「だしふづくえ」とも。付書院の原型と考えられる造りつけの机。採光のために机の部分部屋の外にとびだし,正面明障子(あかりしょうじ)をいれる。「法然上人絵伝」などの絵巻にみえる。本来読書のために設けられたが,のちに文具を飾る場所になり,さらに室内意匠としての付書院に発展する。

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世界大百科事典(旧版)内の出文机の言及

【窓】より

…近世の住居形式である書院造では,外に面する開口部の大半は床上から障子を入れてしまうので,座敷まわりでは書院窓が唯一のものであった。これは読み書きするための文机(ふづくえ)が固定化された出文机(だしふづくえ)の前面に設けられた窓を原形としており,採光のためのものであった。書院造の窓はすわった状態で庭が眺められる程度の高さ,つまり45cm内外を基準とし障子を入れる。…

※「出文机」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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