家庭医学館 「分娩予定日の計算法」の解説
ぶんべんよていびのけいさんほう【分娩予定日の計算法】
分娩は、統計学的に、最終月経(げっけい)の第1日に280日を加えた日におこる確率が高いということで、この280日目を分娩予定日としています。
多くの赤ちゃんが、この前後に生まれてきますので、予定日の前3週間とあと2週間を、正期産(せいきさん)といいます。
分娩予定日を知るには、分娩予定日早見表(表「分娩予定日早見表」)を利用すると便利です。
また、簡易計算法としては、ネーゲレの概算法(がいさんほう)があります。これは、最終月経の第1日目から280日目を計算する方法で、最終月経のあった月の数に9を加え(13以上になる場合は、3を引く)、日数に7を加えます。
たとえば、最終月経開始日が2月10日の場合、2月プラス9、10日プラス7で、分娩予定日は11月17日になります。また、最終月経開始日が8月25日の場合は、8月マイナス3、25日プラス7となり、分娩予定日は5月32日=6月1日です。
ただし、大の月、小の月があるので、ぴったり280日目とはかぎりません。
最終月経から計算する方法は、あくまでも月経周期が規則正しく、28日周期の人で、14日目に排卵があることが大前提となります。
月経不順の人、または出産後や流産後に月経をみないうちに妊娠した人の場合は、ほかの産科学的な理由に基づいて計算します。
●超音波断層法
妊娠初期(胎児の心拍動の認められる8週~11週)に、胎児の大きさから妊娠週数を推定し、予定日を算出します。
●基礎体温表を利用する方法
基礎体温を測定している人は、低温相(ていおんそう)の最終日を排卵日(はいらんび)(受精日(じゅせいび))として、その日に266日(38週)を加えるか、排卵日の14日前を最終月経第1日として、分娩予定日を算出します。
●その他の方法
つわりの時期や、胎動を初めて感じる時期から推定する方法もありますが、個人差が大きいのであまり確実な方法とはいえません。
◎妊娠週数の数え方
妊娠の持続周期は、最終月経の第1日を0日として起算し、「満の日数、または週数」で表わします。つまり妊娠1か月は、満0週~満3週の28日間ということになります(表「妊娠期間の数え方」)。