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利子理論 りしりろんtheory of interest

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

利子理論
りしりろん
theory of interest

利子の存在根拠,利子率の決定問題を解明する理論。利子は太古から存在していたが,近世にいたるまで社会正義,宗教的考え方から高利に関する不当性だけが問題とされ,その存在根拠,利子率を科学的に究明する試みはなされなかった。しかし中世末期以降の貨幣経済の一般化と資本主義経済の勃興は,利子を正当視するだけでなく,その存在根拠,率の高さを解明しようとする考えが登場し,それは,(1) 古典学派,マルクス経済学,初期近代経済学にみられる,利子を実物的要因に求める実物的利子論,(2) 19世紀末期から現代にかけて次第に有力化してきた貨幣的要因に求める貨幣的利子理論に大別される。 (1) の代表的なものに,利子は現在の消費を抑制することに対する報酬であるとする N.シーニアーの節欲説,資本利子に関する E.ベーム=バウェルクの時差説があり,また利子をもって剰余価値から成る利潤の一転形形態とみる K.マルクスの利子論も実物的要因による説明の一種とみなすことができる。 (2) の主要なものは,利子率は金融市場における貸付資金の需給関係に依存するとする D.ロバートソンらの貸付資金説,利子は流動性の最も高い貨幣を手放すことに対する反対報酬であり,利子率は流動性をもつ貨幣に対する需給関係に依存するとする J.M.ケインズ流動性選好説がある。

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