利島(村)(読み)としま

日本大百科全書(ニッポニカ) 「利島(村)」の意味・わかりやすい解説

利島(村)
としま

東京都大島支庁、伊豆諸島利島にあり、1島1村をなす村。明治になり韮山(にらやま)県、足柄(あしがら)県、静岡県と所管がかわり、1878年(明治11)東京府に編入。東京の南約140キロメートルにあり、面積4.12平方キロメートルで伊豆七島のうちもっとも小さい。宮塚(みやつか)山(508メートル)が大半を占め、海岸は断崖(だんがい)をなし、集落は北側の郷(ごう)に集まっている。椿油(つばきあぶら)(大島椿油)の生産が最大の産業。昭和40年代以降、伊豆諸島にのみ分布するサクユリの球根生産などの園芸農業も行われている。海産物蓄養施設(1988年完成)や小型漁船泊地(1990年供用開始)があり、漁業も行われる。800年の伝統をもつ八幡神社の流鏑馬(やぶさめ)は東京都指定無形民俗文化財。オオミズナギドリ群棲でも知られる。人口327(2020)。

沢田 清]


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