韮山(読み)ニラヤマ

デジタル大辞泉 「韮山」の意味・読み・例文・類語

にらやま【韮山】

静岡県伊豆国市地名伊豆半島北部に位置する。源頼朝が流されたひるヶ島幕末に築造された反射炉などの史跡がある。

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精選版 日本国語大辞典 「韮山」の意味・読み・例文・類語

にらやま【韮山】

  1. 静岡県東部、伊豆の国市にある地名。韮山温泉があり、山木遺跡、蛭ケ小島跡、北条早雲韮山城跡、代官江川太郎左衛門邸、反射炉など史跡に富む。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「韮山」の意味・わかりやすい解説

韮山
にらやま

静岡県東部、田方郡(たがたぐん)にあった旧町名(韮山町(ちょう))。現在は伊豆の国市の北部を占める地域。伊豆(いず)半島北部、田方平野中央部に位置する農業と史跡観光の町。旧韮山町は1962年(昭和37)町制施行。2005年(平成17)伊豆長岡町大仁(おおひと)町と合併、市制施行して伊豆の国市となる。伊豆箱根鉄道が通じ、地域に原木、韮山、伊豆長岡の3駅があり、国道136号が通じる。東部は箱根山から南下する多賀火山地域の丘陵、台地で、地域の60%を占める。西部狩野川(かのがわ)が形成する田方平野で、肥沃(ひよく)な水田地帯。弥生(やよい)時代以来稲作が行われてきた。農業は米作イチゴ栽培をはじめトマト、花卉(かき)などの施設園芸が盛ん。イチゴのビニルハウス栽培は質・量ともに優れ、観光イチゴ狩りが定着している。酪農も行う。近年、別荘地の開発が進んでいる。東部には富士見パークウェーが伊豆スカイラインと結び、奥伊豆への入口となっている。弥生時代の水田跡から田舟、田下駄(げた)などが出土した山木遺跡(やまきいせき)、源頼朝(よりとも)が配流され、源氏再興の旗揚げにゆかりの蛭ヶ小島(ひるがこじま)、北条時政(ほうじょうときまさ)創建の願成就院(がんじょうじゅいん)(国指定史跡)など史跡に富む。願成就院の阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)(国指定重要文化財)は運慶作で、胎内から北条政子(まさこ)の遺髪が発見された。戦国時代、北条早雲は韮山を根拠地とし、江戸時代には韮山代官江川家が伊豆の幕府直轄地を治めた。江川邸は国指定重要文化財であり、幕末に江川英龍(ひでたつ)(太郎左衛門)が築造した韮山反射炉(国指定史跡)とともに有名である。

[川崎文昭]

『『韮山町史』全17冊(1979~1999・韮山町)』


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日本歴史地名大系 「韮山」の解説

韮山
にらやま

[現在地名]韮山町韮山韮山にらやまにらやま

現韮山町域の中央部に位置し、東は山木やまき村・金谷かなや村、南は南条なんじよう村、西は土手和田どてわだ村。江川氏御囲地ともいう。慶長六年(一六〇一)に廃城となった韮山城の跡地にあたる。慶長元年に五千石支配代官を命じられた江川英長は、代官ながら同六年の内藤信成転封後の韮山城一帯を囲込み、その跡地の所有を認められた。これを御囲地といい、江川氏屋敷もその一画にある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「韮山」の意味・わかりやすい解説

韮山
にらやま

静岡県東部,伊豆の国市北部の旧町域。伊豆半島の基部にある。1962年町制。2005年伊豆長岡町,大仁町と合体して伊豆の国市となった。中心集落の韮山は狩野川右岸に位置し,弥生時代の山木遺跡,源頼朝が流された蛭ヶ小島北条早雲の韮山城跡,江戸時代の韮山代官江川家住宅(国指定重要文化財。→江川太郎左衛門)や,韮山反射炉(2015世界遺産),願成就院跡,伝堀越御所跡(いずれも国指定史跡)など旧跡が多い。韮山温泉,奥畑毛とも呼ばれる国民保養温泉地の奈古谷温泉がある。一部は富士箱根伊豆国立公園に属する。

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百科事典マイペディア 「韮山」の意味・わかりやすい解説

韮山[町]【にらやま】

静岡県田方(たがた)郡,伊豆半島北部の旧町。西部は狩野(かの)川の低地で,伊豆箱根鉄道が通じる。中・近世の北伊豆の政治中心で,北条早雲の韮山城跡,代官江川氏の邸宅,江川太郎左衛門が建設した韮山反射炉(史跡),山木遺跡がある。米作,イチゴ,野菜の栽培が盛ん。韮山温泉,奈古谷(なこや)温泉がある。2005年4月田方郡伊豆長岡町,大仁町と合併し市制,伊豆の国市となる。34.63km2。1万9655人(2003)。

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改訂新版 世界大百科事典 「韮山」の意味・わかりやすい解説

韮山 (にらやま)

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世界大百科事典(旧版)内の韮山の言及

【江川太郎左衛門】より

…伊豆国韮山に屋敷をもつ江戸幕府の世襲代官。代々太郎左衛門を名のった。…

※「韮山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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