加賀屋敷(読み)かがやしき

日本歴史地名大系 「加賀屋敷」の解説

加賀屋敷
かがやしき

南を尾張藩上屋敷、北を先手組大縄地に挟まれた一帯に展開する武家地の里俗称。加賀原かがはら清泰院せいたいいん屋敷ともいう。地名の由来は加賀金沢藩前田家の清泰院(大姫君)に寛永一八年(一六四一)下賜された屋敷の跡であることによる。正保江戸絵図には「加賀大姫君」とある。清泰院は大姫君といい、水戸藩主徳川頼房の娘で、三代将軍徳川家光の養女となり、加賀藩主前田光高に嫁し、明暦二年(一六五六)に三〇歳で逝去した。しかし付属の家臣らは屋敷に引続き住居し、清泰院殿屋敷・加賀屋敷などと称された。寛文新板江戸絵図ではすべて旗本屋敷となっている。享保八年(一七二三)の火災で原野となったが、のち南に馬場を開設し、大的の射場もあちこちにあり、旗本の武術訓練の場となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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