寄合衆(読み)ヨリアイシュウ

デジタル大辞泉 「寄合衆」の意味・読み・例文・類語

よりあい‐しゅう〔よりあひ‐〕【寄合衆】

鎌倉中期以後、北条氏私邸に集まって国政を評議した者たち。北条一門やその有力家臣などで構成された。

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精選版 日本国語大辞典 「寄合衆」の意味・読み・例文・類語

よりあい‐しゅうよりあひ‥【寄合衆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鎌倉幕府職名一つ執権および評定衆とともに国務を評議する資格のあるもの。
    1. [初出の実例]「時村〈左京権大夫従四位下〉〈略〉正応二年五月為寄合」(出典北条九代記(1333頃)下)
  3. よりあい(寄合)
    1. [初出の実例]「此事戸田より申来れり。其状に御本丸寄合衆に次ぐべしと云々」(出典:随筆・折たく柴の記(1716頃)上)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寄合衆」の意味・わかりやすい解説

寄合衆
よりあいしゅう

鎌倉幕府末期の職名。得宗(とくそう)の近親・縁故者、有力被官を構成員とし、幕政上の重要事項を審議・決定し、得宗専制政治を支えた。1289年(正応2)北条時村(ときむら)の就任を史料上の初見とするが、すでに執権時頼(しっけんときより)の時代には、その私邸で一部重臣、得宗被官(御内人(みうちびと))による秘密会議がたびたび開かれ、これを「寄合」と称した事実が知られる。幕府編纂(へんさん)の法律書『沙汰未練書(さたみれんしょ)』にも「一、御寄合事、評定(ひょうじょう)衆中宗人々有御寄合。秘密御内談在之也」とみえ、得宗を中心とするごく限られた人々による重事密議の会合が、のちに制度化されたものと思われる。寄合衆の定立とともに、従来執権政治を支えてきた評定衆の制は形骸(けいがい)化した。ここに得宗専制の進行を幕府機構上の変化として確認できる。

[杉橋隆夫]

『佐藤進一著『鎌倉幕府政治の専制化について』(竹内理三編『日本封建制成立の研究』所収・1955・吉川弘文館)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寄合衆」の意味・わかりやすい解説

寄合衆
よりあいしゅう

鎌倉幕府末期の職名。史料上の明確な初見は正応2 (1289) 年であるが,すでにこれ以前から一部重臣による幕政会議 (→寄合 ) がもたれ,その職にあるものが寄合衆と呼ばれており,得宗専制権力の非制度的拠点として出発したことを示す。構成員としては得宗,北条一門,御内人など 10名ほどがみえる。寄合が幕政上の制度として定置されるに従い,従来の要職たる評定衆は次第に実質的な意義を失っていった。

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