勘者(読み)カンジャ

デジタル大辞泉 「勘者」の意味・読み・例文・類語

かん‐じゃ【勘者】

よく物事に気がついて頭の切れる人。勘のよい人。
「人の気のつかぬ所をさりとは名誉の―と」〈浮・武家義理・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「勘者」の意味・読み・例文・類語

かん‐じゃ【勘者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 朝廷幕府諮問をうけて、先例吉凶等をかんがみて、儀式の日時・年号法令等を上申する勘文を作成する者。
    1. [初出の実例]「改元定也。〈略〉奉行之。年号勘者三人。文応号文章博士在章択之」(出典続史愚抄‐文応元年(1260)四月一三日)
  3. 事物の理をよく考える能力のある人。目先のきく人。知恵のまわる人。
    1. [初出の実例]「人の気のつかぬ所をさりとは名誉の勘者(カンシャ)と」(出典:浮世草子武家義理物語(1688)三)

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世界大百科事典(旧版)内の勘者の言及

【松波勘十郎】より

…その後ひそかに江戸に戻ったところを捕らえられ,水戸の赤沼の獄で2人の子とともに獄死した。 このような財政家は日本では勘者(かんじや)と呼ばれ,その数も少なくなかったが,ひとりでこれほど多数の大名,旗本にかかわり,しかも同時に数ヵ所を兼ねている例はほかに知られていない。またその異常な最期も注目される。…

※「勘者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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