包背装(読み)ほうはいそう(その他表記)spine wrapped binding

精選版 日本国語大辞典 「包背装」の意味・読み・例文・類語

ほうはい‐そうハウハイサウ【包背装】

  1. 〘 名詞 〙くるみびょうし(包表紙)

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図書館情報学用語辞典 第5版 「包背装」の解説

包背装

「ほうはいそう」と読む.紙を文字面外側にして二つ折りにして積み重ね,1冊分をこよりで下とじし,1枚の厚手の表紙でくるみ,背の部分を本文用紙と糊付けにする装丁法.包み表紙ともいう.中国では元代から明代の中頃にかけて行われ,日本でもその影響を受けて,鎌倉中期から行われた.特に五山版の原装本はほとんど包背装であったといわれる.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「包背装」の意味・わかりやすい解説

包背装
ほうはいそう

装丁法の一つ。前後の表紙が別々でなく、一枚の紙または裂(きれ)になっているのが特徴である。本紙の背と綴代(とじしろ)の部分を糊(のり)付けし、一枚の表紙で前後を包む装丁で、包み表紙、くるみ表紙ともいう。中国では元(げん)・明(みん)時代に流行し、その影響を受けてわが国でも鎌倉中期ごろから行われた。五山版(ござんばん)はほとんどこの装丁であったといわれる。現存する包背装の書物では、明代の『永楽大典(えいらくたいてん)』、清(しん)代の『四庫全書(しこぜんしょ)』が有名である。

[金子和正]

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