家庭医学館 「化粧品による中毒」の解説
けしょうひんによるちゅうどく【化粧品による中毒 Poisoning by Ingestion of Cosmetics】
誤って化粧品を食べたり、飲んだりする事故は、たばこについで多くなっています。
おこしやすいのは、1歳から1歳半の子どもで、この年代の子どもの中毒事故の原因の第1位を占めています。
この年代の子どものいる家庭では、子どもの手の届く場所に化粧品を放置しないことがたいせつです。
しかし、たいていの化粧品は毒性が低く、大量に体内に入らないかぎり、中毒の症状が現われることは、まず、ありませんし、たいていは、治療が必要になることはありません。
例外は、マニキュア除光液とパーマ第Ⅱ液で、外国では、マニキュア除光液を飲んだ1歳半と2歳の子どもが死亡したという事故もおこっていますが、家庭にあるのはビンが小さく、入っている量も少ないので、生命にかかわる中毒事故は、まずおこらないと考えていいでしょう。
●化粧品を誤飲したときの対応
おもな化粧品とその安全度を表「化粧品の中毒危険ランク」にまとめました。
子どもが、まちがってマニキュア除光液を飲んだときは、なにも飲ませず、吐かせずに、すぐ受診します。パーマ第Ⅱ液を飲んだときは、水か牛乳を飲ませ、吐かせて、すぐ受診します。
それ以外の化粧品の場合、含まれている物質によって、水あるいは牛乳を飲ませてよいのか・飲ませてはいけないのか、吐かせたほうがよいのか・吐かせてはいけないのか、対応がそれぞれ異なります。
表「化粧品の中毒危険ランク」などを参考に判断し、危ないと思われる場合には、医師を受診してください。中毒の症状が現われていたら、ただちに受診しましょう。また、受診の際には、口に入れた残りや容器を持参するようにしてください。