ビン(読み)びん(英語表記)Vinh

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビン」の意味・わかりやすい解説

ビン
びん
Vinh

ベトナム中部、ゲアン省の省都。ハノイの南257キロメートル、カ川の沖積したデルタの中心に位置する。人口9万8700(2003推計)。国道1号線と鉄道のハノイ―ホー・チ・ミン線が通じている。また北はタインホア北西ラオスジャール平原南西は同じくメコン河畔のタケクに通ずる交通の要衝である。1804年に築造された城塞(じょうさい)があり、古くから軍事上重要な地点のため、ベトナム戦争ではアメリカ軍の激しい爆撃にさらされた。付近の農業、商業の中心地として栄えてきたが、最近は製糖、製紙などの工業もおこっている。東部のベンチュイはビンの外港となっている。

[菊池一雅]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビン」の意味・わかりやすい解説

ビン
Vinh

ベトナム中北部,ゲティン省の省都。首都ハノイの南約 260km,バクボ (トンキン) 湾に注ぐカ川の最下流部左岸にある。ハノイ,ハイフォンに次ぐ同国北部第3の工業都市で,製材コンビナート,食品コンビナート,織物工場,セメント工場,化学肥料工場などがある。ベトナム戦争中,アメリカ合衆国空軍の爆撃で破壊されたが,東ドイツ援助で再建された。市の東約 5kmに河港ベントゥイがある。 1930年にゲティン・ソビエトの名で知られる人民政権を樹立した革命運動の発生地。ハノイとホーチミン市を結ぶトンニャット鉄道と国道1号線が通る。

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