ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北オセチヤ共和国」の意味・わかりやすい解説 北オセチヤ〔共和国〕きたオセチヤSevernaya Osetiya-Alania ロシア南西部,北カフカスにある共和国。首都ウラジカフカス。1924年自治州として設立され,1936年自治共和国,1991年共和国となった。大カフカス山脈中部北斜面にあり,大部分山地であるが,北部のモズドク周辺は平野となっている。全域がテレク川の上流域に属する。気候は地形によって著しく変化し,年降水量は平野で 600mm,山地で 900mm。植生は北から南へ,ステップ,広葉樹林,針葉樹林,山地草原と移り,山頂部には氷河が発達する。南接するジョージア(グルジア)の南オセチヤ自治州とともに,インド=ヨーロッパ語族のイラン語派に属する言語をもつオセチヤ人の国で,オセチヤ人が住民の半分近くを占める。山麓部には多数の鉱泉が湧出し,保養地が多い。鉛,亜鉛,銀などの鉱物資源に恵まれ,それらの採掘,冶金が盛ん。ほかに電気機器,食品,建設資材などの工業があり,首都を中心に立地。農業は山地斜面下部とモズドク周辺の平野に集中し,灌漑農業が発達。主要作物はコムギ,トウモロコシ,ジャガイモ,ヒマワリ,野菜,ブドウその他の果樹などである。斜面上部ではヒツジ,ウシの飼育が行なわれる。主要交通路はロストフナドヌーとアゼルバイジャンの首都バクーを結ぶ幹線鉄道と,カフカス越えの 2本のハイウェー (ジョージア,オセチヤ両軍用道路) である。面積 8000km2。人口 70万2456 (2008推計) 。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by