南オセチヤ自治州(読み)みなみオセチヤ(その他表記)Yugo-Osetinskaya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南オセチヤ自治州」の意味・わかりやすい解説

南オセチヤ〔自治州〕
みなみオセチヤ
Yugo-Osetinskaya

ジョージアグルジア)北部にある自治州。1922年設立。州都ツヒンバリ大カフカス山脈中部の南斜面に位置し,州域の 90%が標高 1000m以上の高地にある。広葉樹から針葉樹まで繁茂する。北接する北オセチヤ共和国とともに,インド=ヨーロッパ語族イラン語派に属する言語をもつオセチヤ人が総人口の 3分の2以上を占める。コムギ,トウモロコシ,テンサイ,ジャガイモなどの栽培とブドウそのほかの果樹栽培,山地ではヒツジ放牧が行なわれる。鉱工業部門では多金属鉱の採掘精錬,滑石加工,木材加工,食品工業などが盛ん。またカフカスの保養地帯の一つで,特にジャバが著名である。南部のツヒンバリまではトビリシ方面などと結ぶ鉄道が通じているが,交通網は未発達である。1991年に自治州の親ソビエト連邦政権が独立を宣言し,ジョージア政府との武力衝突が始まったが,1992年ロシア仲介和解が成立した。1993年共和国設立をうたった憲法を承認,1996年大統領を選出したが国際社会からは承認されず,ジョージアとの紛争は断続的に続いた。2008年8月,ロシアが南オセチヤおよび同じく分離独立を求めるアブハズ自治共和国との協力強化に関する布告を出したことから緊張が高まり,ジョージアが南オセチヤに進攻,ロシアがジョージアに侵攻する事態となった。フランスの仲介で同 8月両国は停戦に合意したが,ロシアは南オセチヤとアブハズの独立を承認,国際社会から非難された。面積 3900km2。人口 4万9200(2005推計)。

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