区間推定(読み)くかんすいてい(英語表記)interval estimation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

区間推定
くかんすいてい
interval estimation

数理統計学における母数推定の一形式。点推定に対する。母数 θ が,標本から決定されるある区間の中にある,という命題を立てることにより行われる。この命題は,実際に真であることも偽であることもあるが,真であることの信頼性が確率αとなるならば,信頼係数αの ( θ の) 信頼区間といわれる。たとえば,標本 x1x2,…,xn に基づく,正規母集団の平均 θ の,信頼係数 0.95の信頼区間は である。ここに (なお,σ2 は正規母集団の分散で,値は既知とする) 。信頼区間の上・下端を信頼限界という。信頼区間は,信頼係数が大きく,かつ長さが短いものが望ましいが,2つの要求を同時に満足することはむずかしい。また,θ がこの区間の中のさらにどこにあるかは教えない。信頼係数の意味は,通常たとえば 100回信頼区間をつくれば,100α回程度が真に θ を中に含むということであるが,これについては従来から論争がある。上の例で,σ2 が既知でない場合は,標本分散 s2 で代用し,t 分布を用いることによって,信頼区間を得ることができる。このように,種々の θ の信頼区間が種々の分布を用いて求められ,諸分野で応用されている。

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大辞林 第三版の解説

くかんすいてい【区間推定】

統計的推定において、標本から算出した特定区間で母数を推定する方法。その区間を信頼区間、母数がその区間に存在する確率を信頼度という。

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世界大百科事典内の区間推定の言及

【数理統計学】より

はすでに見たとおり不偏推定量,とくに有効推定量であるが,VのほうはE(V)=(n-1)σ2で不偏推定値にはなっていない。 これまでは,未知パラメーターθを推定するのに,候補となる1点を指示する点推定であったが,これとは異なり,パラメーターの存在しうる範囲を得られた標本から推定する区間推定の方法がある。標本X1,X2,……,Xnが得られたとき,θの動く範囲S(X)=S(X1,X2,……,Xn)を適当に選んで,P(θ∈S(X))≧1-αとできるとき,S(X)を信頼係数1-αの信頼域という。…

【統計学】より

…それを前提にして,データから母数に関する推測を行う。推測のおもな形式として母数推定論,および仮説検定論,区間推定論がある。母数推定論は,未知母数について平均的に誤差がなるべく小さくなるような推定方式を求めることを課題とし,仮説検定論は,母数に関する一定の仮定(仮説)をデータによって検証する方法を扱う。…

【統計的推定】より

… 以上述べてきた推定方式は未知パラメーターに対し,ただ一つの統計量を対応させる方式であって,点推定と呼ばれる。これに対し,標本から,ある定められた確率で未知パラメーターを含むような区間を構成する方式があり,区間推定と呼ばれる。正規分布からの独立標本x1,……,xnの場合,に従うことから,が成り立つ(〈統計的検定〉の項参照)。…

【標本調査】より

…そこで推定値に幅をつけて,たとえば〈母平均は3.8~6.2万円〉という推定の仕方をするとすれば,はずれる場合の数は両端の12(=3+2+1+1+2+3)通りだけであるから,はずれる確率は12/252(=0.048)に減少する。このように幅をつけて区間によって推定する方法を区間推定,このときの区間を信頼区間,当たる確率を信頼係数という。この信頼係数を知るためには,一般には,母集団の各要素の値が未知の場合にも標本平均の分布がわからなければならない。…

※「区間推定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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