十連寺(読み)じゆうれんじ

日本歴史地名大系 「十連寺」の解説

十連寺
じゆうれんじ

[現在地名]上尾市今泉

今泉いまいずみ地区の中央にある。干菜山光明院と号し、浄土宗本尊は阿弥陀如来立像。応永元年(一三九四)念誉により起立されたと伝える。山号は「ほしなさん」と訓読みされ、徳川家康が慶長一八年(一六一三)鷹狩の途中で当寺に立寄った際、寺名を付けてほしいとの願いを受け、辺りを見回し、本堂軒端にたくさんの菜が連ねて干してあるのを見つけて即座に十連寺と名付けたといわれる(「徳川実紀」「甲子夜話」など)。寺の基礎を確立したのは寛誉で、元和二年(一六一六)以前と推定される家康からの病気見舞の礼を述べた書状(当寺蔵)が残る。また幕府に働きかけて慶安二年(一六四九)徳川家光から寺領一六石八斗寄進の朱印状と三ヵ条からなる禁制の高札(ともに当寺蔵)を与えられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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