半島戦争(読み)はんとうせんそう(その他表記)Peninsular War

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「半島戦争」の意味・わかりやすい解説

半島戦争
はんとうせんそう
Peninsular War

1808~14年に行われたナポレオン1世支配に対する,スペイン,ポルトガルの民族主義的反抗,独立戦争。 07年 10月フランス軍はピレネー山脈を越え,イベリア半島を横断して 11月末リスボンを占領,ポルトガルを征服し,次いでスペイン占領に着手するため,08年5月スペインを封建制から解放するという名目で,ナポレオンの兄ジョゼフ・ボナパルトをスペイン国王とし議会を招集した。しかし,このことが両国民の反感を引起し,5月2日マドリードで反フランス蜂起が起り,反乱は各地に広がった。一方,8月には,イギリスのウェリントン (公)が上陸してスペイン,ポルトガルの抵抗運動と合同,国民は各地でゲリラ戦を展開してフランス軍を追いつめ,P.デュポン将軍はアンダルシアのバイレンで,A.ジュノー将軍はポルトガルのシントラで降伏した。さらに 12年ウェリントンの指揮するイギリス=スペイン連合軍がマドリードを占領,14年にはフランスのバイヨンヌで最後の戦闘が行われ,半島戦争は終った。この戦争はナポレオン没落の一因となった。

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