バイヨンヌ(英語表記)Bayonne

デジタル大辞泉 「バイヨンヌ」の意味・読み・例文・類語

バイヨンヌ(Bayonne)

フランス南西部、ピレネーザトランチック県の都市。大西洋岸ビスケー湾に注ぐアドゥール川河口から上流へ約7キロメートル、ニーブ川との合流地点に位置する。スペイン国境にも近く、バスク地方の主要都市の一。ハムの名産地として有名。海岸保養地ビアリッツに近い。13世紀から14世紀にかけて建造されたゴシック様式のサントマリー大聖堂が、1998年、サンティアゴ‐デ‐コンポステラの巡礼路として世界遺産(文化遺産)に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「バイヨンヌ」の意味・わかりやすい解説

バイヨンヌ
Bayonne

フランス南西部,ピレネーザトランティク県の都市。スペイン国境より35km,アドゥール川の河口より5km余り上流にあり,ランド,バスク両地方の境界に位置する。人口4万1778(1999)。古代から交通・軍事上の要衝であり,また中世にはイギリスの支配下で,18世紀には港として繁栄した。今日では,港としてのほか,この地方の行政商業・金融の中心として重要であり,工業(航空機製造,化学など)の発展も見られる。サント・マリ司教座聖堂(13~16世紀),ボナ美術館,バスク博物館などがあり,またチョコレート(17世紀から),生ハムでも有名。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイヨンヌ」の意味・わかりやすい解説

バイヨンヌ
ばいよんぬ
Bayonne

フランス南西部、ピレネーザトランティク県の都市。ビスケー湾のアドゥール川河口から上流約7キロメートル、ニーブ川が合流する地点に位置する。人口4万0078(1999)。スペイン国境まで32キロメートルと近く、バスク地方の中心都市。道路、鉄道の交点で、河港もある交通の要地。ビスケー湾に臨む海浜保養地ビアリッツに近く、同市を含む周辺諸都市とともに人口17万8965(1999)の都市圏を形成する。ワイン、ブランデー、ハムの産地として知られるが、金属、化学、航空機、皮革木材などの工業も発達する。港から硫黄(いおう)、トウモロコシなどを輸出し、リン酸塩、鉄などを輸入する。古代ローマの主要港で、町の中心部は市壁に囲まれ、17世紀の軍事技術者ボーバン設計の城壁、13~16世紀のサント・マリー大聖堂(司教座)、新旧二つの城などがある。1199~1451年の間はイギリス領であった。バスク博物館がある。

[青木伸好]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バイヨンヌ」の意味・わかりやすい解説

バイヨンヌ
Bayonne

フランス南西部,スペイン国境に近いピレネーザトランティク県の都市。ニーブ川とアドゥール川の合流点に位置する。ガロ・ローマ時代から港町として栄えたが,19世紀には石炭や鉄鉱石輸入港として発展し,現在は付近のラックで産する天然ガスによる工業が盛ん。マグロの水揚げ港としても知られる。 1199~1451年イギリス領。ニーブ川左岸は 17世紀ボーバン設計の城壁に囲まれ,グランバイヨンヌと呼ばれ,旧城 (13~16世紀) や聖マリー大聖堂があり,対岸のプティバイヨンヌには新城,バスク博物館などがある。人口4万 1846 (1990) 。

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世界大百科事典(旧版)内のバイヨンヌの言及

【バスク】より

…また,身体的にも特徴があり,平均身長は160~170cm,顔は三角ばっており,肩幅は広く,腰部は狭い。牛や羊の飼養(羊の移牧はかなり減少),トウモロコシの栽培(孤立した住居の周囲で行われる伝統的家族経営),漁業(クジラ,イワシ)などに従事している人々も少なくないが,今日では,観光(バイヨンヌなど)や鉱工業(ビルバオなど)に従事している都市住民が圧倒的に多くなっている。16世紀以降に創作された伝承文学,中世の神秘を想起させる田園詩,滑歩(パ・グリセ),デカジェ,ロン・ド・ジャンブなどの組合せで,大地や宇宙との接触をリズム感で表現した民族舞踊,中世のポーム球戯から生まれた,テニスのように壁に向かって敵味方が打ち合うペロタ球戯(ハイアライ)など,文化面でも豊かであり,ベレー帽はバスク固有の風俗としてあまりにも有名である。…

※「バイヨンヌ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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