南方振動(読み)ナンポウシンドウ(英語表記)Southern Oscillation

デジタル大辞泉 「南方振動」の意味・読み・例文・類語

なんぽう‐しんどう〔ナンパウ‐〕【南方振動】

南太平洋東部とインドネシア付近において見られる海面気圧変動一方が高くなると、もう一方が低くなるという相関が見られる。エルニーニョと連動して変動することが知られるテレコネクション一つであり、エルニーニョ南方振動ENSOエンソ)ともよばれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南方振動」の意味・わかりやすい解説

南方振動
なんぽうしんどう
Southern Oscillation

熱帯太平洋上の地上気圧が数年周期で変動する現象。日付変更線付近より西側で気圧が高くなるときは東側で低くなり,西側で低くなるときは東側が高くなる。気圧があたかもシーソーのように振動することから,南方振動と呼ばれる。この現象は,1923年にイギリスの気象学者ギルバート・ウォーカーによって発見された。原因は,熱帯太平洋の西側で空気が上昇し,東側で下降する大気循環(東西循環,ウォーカー循環)の強さが,数年周期で変化するためと考えられている。この振動は,エルニーニョラニーニャ交代と一致しており,エルニーニョと合わせてエンソ ENSO; El Niño/Southern Oscillationと呼ばれることもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「南方振動」の意味・わかりやすい解説

南方振動
なんぽうしんどう

低緯度地帯の海洋上の気象観測値のうち、気圧、気温雨量の季節変化を組み合わせて求めた一つの示数。イギリスのウォーカーG. T. Walkerが提案したもので、彼によれば、南方振動は2.33年という周期を示している。彼はまた低緯度地帯の南方振動のほか北大西洋振動、北太平洋振動をも求めた。

[大田正次]

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