南沢又村(読み)みなみさわまたむら

日本歴史地名大系 「南沢又村」の解説

南沢又村
みなみさわまたむら

[現在地名]福島市南沢又

いずみ村の西、まつ川右岸の低位沖積段丘上に位置。松川を挟み左岸北沢又村と対峙しているが、元来は沢又村(沢俣村)として一村であった。氾濫を繰返していた松川は寛永一四年(一六三七)の大洪水で、信夫しのぶ山の南側であった河道が現在のように北側に移った。このため、沢又村は南・北に二分されることになった。寛文一一年(一六七一)からの幕府検地で、翌一二年正式に松川右岸が南沢又村、左岸が北沢又村となった(「検地覚」福島市史)。ただし、左岸に一部当村の飛地がある。「信達一統志」は「むかしは南北一村なりしが松川洪水して其土地を欠き邨の正中に流れ出づ、故に分て二邨となす」と記す。

天文七年(一五三八)の段銭古帳に信夫大仏しのぶだいぶつ方のうちとして「さハ満田」「さハまた」の二筆で記載される。段銭はそれぞれ六貫三〇〇文・二貫七五〇文で、後者には「こさし分」と注記がある。同二二年の晴宗公采地下賜録では、信夫「さハまた」のうち遠藤将監分の「にしはら」「大わた」「いちてう田」などが守護不入の地として牧野相模に与えられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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