大峯山(読み)おおみねさん

日本歴史地名大系 「大峯山」の解説

大峯山
おおみねさん

広義には大峰山脈をさし、狭義には山上さんじようヶ岳(一七一九・二メートル)をさしていうのが普通であるが、歴史的には金峯きんぶ山に対して大峯山といい、山上ヶ岳南の小篠おざさ(天川村)から熊野までの一連の諸峰をさした(→金峯山

大峰山脈は東の北山きたやま川、西の十津とつ川と吉野川の上流によって区切られ、南北に延びる約五〇キロの長大な山脈。北は吉野山に起こり、南は十津川村玉置たまき山に至る。その間に大天井おおてんじようヶ岳(一四三八・七メートル)・山上ヶ岳・稲村いなむらヶ岳(一七二五・九メートル)大普賢だいふげん(一七七九・九メートル)行者還ぎようじやがえり(一五四六・二メートル)弥山みせん八経はつきようヶ岳(仏経ヶ岳・八剣岳とも。一九一四・九メートル)明上みようじよう(星)ヶ岳(一八三九メートル)七面しちめん(一五五六・四メートル)仏生ぶつしようヶ岳(一八〇四・七メートル)孔雀くじやく(一七七九メートル)釈迦しやかヶ岳(一七九九・六メートル)大日だいにち(一五九三メートル)などの峻峰が山列をなし、よく壮年期の地形の特色を示しているので、「近畿の屋根」「大和アルプス」の称もある。

この急峻な山々を対象として古く修験道が発達し、山上ヶ岳頂上の山上蔵王堂(→大峯山寺はその根本道場で、現在も五月から九月にかけて山入が行われ、白衣行者が集まる。雄大な眺望とともに深林美と岩石美をもって知られ、行者以外の登山者も多い。山上ヶ岳への登山道は、吉野山から峰伝いに大天井ヶ岳を経て同山に至るものと、下市しもいち町から天川てんかわ村大字洞川どろがわに至り、洞辻どろつじに上って吉野山からの道と合するもの、さらに川上かわかみ村大字柏木かしわぎからの道があり、前二者が普通にとられる道である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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