ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「厲鶚」の意味・わかりやすい解説
厲鶚
れいがく
Li E
[没]乾隆17(1752)
中国,清の文学者。浙江省銭塘の人。字,太鴻。号,樊しゃ (はんしゃ) 。康煕 59 (1720) 年挙人に及第,乾隆1 (36) 年博学鴻詞科を受けたが落第。その後,各地の文学愛好の富豪に頼りつつ文学の研究,創作に従い,その一人である査為仁の水価荘に寄寓しているときに,査と『絶妙好詞箋』を共著,蔵書家として名高い馬曰かん (ばえつかん) の小玲竜山館に滞在中に『宋詩紀事』を著わすなど,宋詩詞の研究鼓吹に努めた。ために唐風を破るものと批判されたが,みずからは宋詩に学びつつも六朝の陶淵明,謝霊運,唐の王維など広く各代の詩にも親しみ,独自の詩風を確立した。また詞でも浙西詩派の代表的詞人として朱彝尊 (しゅいそん) と並称される。主著『樊しゃ山房集』。
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