及川奥郎(読み)おいかわおくろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「及川奥郎」の意味・わかりやすい解説

及川奥郎
おいかわおくろう
(1896―1970)

天文学者。岩手県生まれ。1920年(大正9)東京帝国大学理学部卒業後、東京天文台技官に就任。天体写真儀を用いて天体位置の精密測定に専従した。1927年(昭和2)から3年間に約18個の未知天体を発見。うち7個が新小惑星として軌道が確認され、「三鷹(みたか)」「多摩」「隅田」「箱根」「熱海(あたみ)」「日光」「利根(とね)」と命名された。この業績により日本学士院賞を受賞した。なお関東大震災により1923年に東京天文台(現、国立天文台)は麻布(あざぶ)から三鷹へ移転したが、その際その経度差を測定した。

[島村福太郎]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「及川奥郎」の解説

及川奥郎 おいかわ-おくろう

1896-1970 大正-昭和時代の天文学者。
明治29年1月1日生まれ。大正11年東京天文台(現国立天文台)にはいり,天体位置の精密測定に従事。7個の新小惑星(三鷹,多摩,隅田,箱根,熱海,日光,利根と命名)を発見した。昭和5年学士院賞。昭和45年死去。74歳。岩手県出身。東京帝大卒。

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