反強磁性共鳴(読み)はんきょうじせいきょうめい(その他表記)antiferromagnetic resonance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「反強磁性共鳴」の意味・わかりやすい解説

反強磁性共鳴
はんきょうじせいきょうめい
antiferromagnetic resonance

反強磁性体電子スピン共鳴。反強磁性体は互いに逆を向いて,同じ大きさの磁気モーメントより成る2つの部分格子から構成されているが,この各格子の磁気モーメントは,それぞれもう一方の部分格子からの分子場 HE とその磁気モーメントの異方性磁場 HA の合成磁場のまわりを歳差運動する。振動周波数 の高周波磁場を外部より加えると,2つの磁気モーメントが完全に反平行でないために共鳴的にエネルギーを吸収する。この現象を反強磁性共鳴と呼び,分子場や異方性磁場の大きさを決定することに利用される。

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化学辞典 第2版 「反強磁性共鳴」の解説

反強磁性共鳴
ハンキョウジセイキョウメイ
antiferromagnetic resonance

反強磁性体の電子スピン共鳴.反強磁性体は二つの部分格子に大きさの同じ自発磁化が互いに反対方向に向いている.二つの自発磁化はそれぞれ外部磁場,磁気異方性によって生じる磁場および交換相互作用により,相手の部分格子の自発磁化によってつくられる磁場を合計したもののまわりを回転運動する.二つのモードがあり,それらの共鳴振動数は外部磁場がないときは一致し,そのときは交換相互作用の大きさと磁気異方性定数の幾何平均に比例する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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