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分子場 ぶんしばmolecular field

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

分子場
ぶんしば
molecular field

平均場または有効場ともいう。1つの要素と他の要素との相互作用をこの要素に働く有効な外場と考えて,多体問題を一体問題で近似する。この外場を分子場という。統計力学協力現象を扱うときに用いられる最も簡単な近似法である。強磁性体の場合には1つのスピンに働く平均的な磁場強誘電体の場合には1つの双極子に働く平均的な電場などの形で用いられる。統計力学の分野ではブラック=ウィリアムズ近似と呼ばれている。

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんしば【分子場 molecular field】

強磁性理論の初期において,なぜ磁区が作られるのかを説明するためにP.ワイスが導入した分子磁場なるものが,今日分子場と呼ばれているものである。この概念はしだいに拡張され,ときに平均場(平均場近似)を分子場ということもある。 孤立した原子は外部磁場によって磁気モーメントを帯びるが,ワイスによれば磁性体の中では原子が磁気モーメントを帯びると,これに比例する分子磁場を周囲の原子に及ぼす。一つの原子に着目すると,その周囲の原子から受ける分子磁場を外部磁場に加えた有効磁場が,着目している原子の磁気モーメントを引き出すのであると考える。

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世界大百科事典内の分子場の言及

【磁性】より

…磁性の起源は電子の運動に基づく磁気モーメントであるから,磁性の理解も量子力学の展開を待たねばならなかった。それ以前の古典的な磁性研究としては,常磁性磁化率が絶対温度に反比例するというキュリーの法則,1907年のワイスPierre Weiss(1865‐1940)による強磁性を説明するための分子磁場(分子場,平均場ともいう)の概念の導入が挙げられる。この分子場というのは,個々の電子の磁気モーメントに働く,その物質の磁化に比例した磁場であり,この考え方は強磁性を含めて協同現象と呼ばれる物性物理学における典型的な現象を理解する鍵となるものであった。…

※「分子場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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