古武井熔鉱炉跡(読み)こぶいようこうろあと

日本歴史地名大系 「古武井熔鉱炉跡」の解説

古武井熔鉱炉跡
こぶいようこうろあと

[現在地名]亀田郡恵山町字高岱

安政三年(一八五六)八月、箱館奉行が諸術調所教授で洋学者の武田斐三郎尻岸内しりきしない熔鉱炉建築御用掛に任命、現武佐之むさの台に建設した洋式溶鉱炉跡。道の史跡に指定されている。安政年間来航する外国船から防衛するため大砲の製造が急務となり、現字日ノ浜ひのはま・古武井に産出する豊富な砂鉄を材料に、現地で武器を製造する溶鉱炉を建設した。古武井川の河口から約九〇〇メートル上流の低位段丘武佐之台に仮溶鉱炉(コーキョウヘン)を完成、銑鉄を反射炉に送る方法で進めたが、安政三年一一月取立工事が中止され、古武井熔鉱炉の建設にかかり、翌四年完成した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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