司天台(読み)シテンダイ

デジタル大辞泉 「司天台」の意味・読み・例文・類語

してん‐だい【司天台】

陰陽寮おんようりょう唐名
江戸中期に設置された天文台。元禄2年(1689)渋川春海が江戸本所の邸宅内に創設。延享3年(1746)幕府天文方観測所として神田佐久間町に置かれ、のち、廃止・再興を経て浅草移転。天保13年(1842)には飯田町九段坂上にも設置。

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精選版 日本国語大辞典 「司天台」の意味・読み・例文・類語

してん‐だい【司天台】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 陰陽寮(おんようりょう)の唐名。
    1. [初出の実例]「戌剋許牟星見天〈北一所、未申一所、辰巳一所〉司天台奏之、不何怪異也」(出典:中右記‐寛治四年(1090)二月二八日)
  3. 天文博士(てんもんはかせ)の唐名風の異称
    1. [初出の実例]「只今無天文三人博士吉昌卒、権博士久邦住伊与国云々、公家無咎、司天台只有其号、有何益乎」(出典:小右記‐寛仁三年(1019)六月四日)
  4. 天文台の旧称。特に、江戸中期に設置された天文台をいう。延享元年(一七四四)八代将軍吉宗が、天文、暦数のことをつかさどらせるため江戸神田佐久間町に設置したもの。天明二年(一七八二)浅草竹町に移転。
    1. [初出の実例]「天明二年壬寅六月朔日牛込藁店より司天台今の浅草にうつさる。堀かかりの人には拝領物あり」(出典:随筆・一話一言(1779‐1820頃)二四)

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