各務駅(読み)かかみのえき

日本歴史地名大系 「各務駅」の解説

各務駅
かかみのえき

東山道の駅家方県かたがた駅と可児かに駅の間に置かれた。「延喜式」兵部省諸国駅伝馬条にその名がみえ、駅馬は六疋、郡が管理する伝馬は四疋で、いずれも令の規定数を下回る。各務駅は諸説ほぼ一致して鵜沼うぬま地区に比定しており、郡家があったと思われる各務地区とする説もあるが、「和名抄」にみえる駅家うまや郷の比定地でもある鵜沼妥当とすべきであろう。鵜沼の初見は藤原宮跡出土木簡に「(表)己亥年九月三野国各(美カ)」「(裏)奴麻里五百木部加西□」とあり、己亥年は文武天皇三年(六九九)と考えられる。この地は、のちに一条兼良の「藤川の記」や「後拾遺集」の源重之の歌などに宇留間うるま市としてみえ、木曾川の渡河地点として栄えたことがうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報