20世紀日本人名事典 「吉野せい」の解説
吉野 せい
ヨシノ セイ
昭和期の作家
- 生年
- 明治32(1899)年4月15日
- 没年
- 昭和52(1977)年11月4日
- 出生地
- 福島県小名浜町(現・いわき市)
- 旧姓(旧名)
- 若松
- 学歴〔年〕
- 尋常高小高等科〔大正3年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 田村俊子賞(第15回)〔昭和49年〕「洟をたらした神」,大宅壮一ノンフィクション賞(第6回)〔昭和50年〕「洟をたらした神」
- 経歴
- 尋常高等小学校高等科卒業後、検定で資格をとり2年ほど教員生活をする。このころ山村暮鳥に出会い影響を受け小説を書き始める。大正10年農民詩人の三野混沌(本名・吉野義也)と結婚し、阿武隈山系の菊竹山麗の荒れ地で開墾生活に入る。以後、50年間は農業、家事、子育てに専念し、文筆とは無縁の生活を送る。昭和45年夫の死後、農業・家事から解放され、百姓女の半生をつづり始める。46年山村暮鳥夫婦との交友記「暮鳥と混沌」を刊行。次いで49年開墾生活の辛酸を綴った「洟をたらした神」を刊行、75歳の農婦の作品として話題となる。同書で同年田村俊子賞を、翌50年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。ほかに「道」がある。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報