吉野原村(読み)よしのはらむら

日本歴史地名大系 「吉野原村」の解説

吉野原村
よしのはらむら

[現在地名]大宮市吉野町よしのちよう

加茂宮かものみや村の北に位置し、大部分大宮台地上に立地する。東部しば川の低地帯となっており、水田が広がる。西は中山道を境に別所べつしよ村。田園簿に原村、元禄郷帳に吉野原村とみえ、「風土記稿」は古くは原村と称したが、吉野領に属したため吉野原村となったと記す。長享三年(一四八九)四月二五日の渋垂小四郎本知行目録写(渋垂文書)に「(武州)国足立郡大宮郷内吉野村」とみえ、渋垂小四郎は永享の乱で押領された吉野村などの本知行分の安堵を申請し、古河公方足利政氏が証判を与えている。永正二年(一五〇五)二月一五日には古河公方足利高基が同様に渋垂小四郎の本知行分である吉野村などの地を安堵している(「足利高基袖判渋垂小四郎申状写」同文書)。元亀二年(一五七一)三月三日春日弥吉は吉野村名主十三郎に、荒地開発に際し三年間は年貢を免除し、以後は田方は二公一民、畠方は一反につき永楽銭四斗代の年貢を徴収する旨の手形を出したという(「春日弥吉手形写」風土記稿)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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