同中書門下平章事(読み)どうちゅうしょもんかへいしょうじ(英語表記)Tóng zhōng shū mén xià píng zhāng shì

改訂新版 世界大百科事典 「同中書門下平章事」の意味・わかりやすい解説

同中書門下平章事 (どうちゅうしょもんかへいしょうじ)
Tóng zhōng shū mén xià píng zhāng shì

中国官制。唐代は三省制度によって左右僕射が宰相職を遂行したが,資格経歴の浅い者を宰相に任命しようとした高宗が682年(永淳1)に〈与中書門下同承受進止平章事〉という官を与えて宰相とした。これが同中書門下平章事の名称の始まりで,五代から宋にかけては,一般に同平章事と略称され宰相とした。北宋神宗(1068-85)の官制改革によって同平章事は使われなくなった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「同中書門下平章事」の意味・わかりやすい解説

同中書門下平章事
どうちゅうしょもんかへいしょうじ
Tong-zhong-shu men-xia ping-zhang-shi; T`ung-chung-shu mên-hsia p`ing-chang-shih

中国の五代の官制。唐の初めは門下,中書,尚書の3省の長官を宰相としたが,のちにはそのうちの侍中と中書令を宰相としたほかに,他の官に同中書門下平章事や同中書門下三品などの名を加えて宰相とした。しかしその後,他の官に加えられる名がほとんど同中書門下平章事となったので,その名が宰相の名称として用いられ,それが五代を経て宋代にいたった。宋代,同平章事すなわち同中書門下平章事は丞郎以上三師をもってこれにあて,天子を補佐して大政を統べた。定員がなく,3人いることもあった。その副を参知政事と称した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「同中書門下平章事」の解説

同中書門下平章事(どうちゅうしょもんかへいしょうじ)

唐,五代,宋の宰相。同平章事と略す。中書令,門下侍中と同じ仕事を行うという意味で,初め中書令などより低い地位の者に与えていたが,唐中期以後宰相はもっぱらこの名で呼ばれるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の同中書門下平章事の言及

【宰相】より

…ただ尚書令は,太宗李世民が就任していたから,任命されず,副官にあたる左右の僕射が実質的な長官であり,宰相になった。 唐代中期の682年,歴任の浅い者を宰相職に任命するため,中書と門下を合わせた官ということで同中書門下平章事(同平章事ともいう)が設けられ,粛宗(756‐762)以後はこれが宰相を指した。2~3名が任命され,以後北宋中期まで宰相を同平章事と称した。…

※「同中書門下平章事」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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