日本大百科全書(ニッポニカ) 「同時管理」の意味・わかりやすい解説
同時管理
どうじかんり
management by synchronization
フォード自動車が1910年代初頭に実施した大量生産システム、いわゆるフォードシステムを支えた、管理方式の一つをいう。この時期にアメリカでは、科学的な生産管理の定着化および高性能な工作機械の開発を背景とした自動車の量産化・大衆化が急速に進み、また生産システムの管理方式の画期的な展開が行われた。
フォードシステムは、低原価の自動車を生産するために、ベルトコンベヤーの導入による同時管理に基づく移動組立方式を採用した。すなわち、生産システムの作業組織を徹底的に合理化し、作業の全体的な進行を機械化し、各種の部品が所定の時間に、所定の場所で、所定の機械によって組み立てられ、完成品となるように、各種作業を同時的に管理することによって、生産工場全体の合理化を実現したのである。
[玄 光男]