アメーバ赤痢(読み)アメーバせきり(英語表記)amoebic dysentery

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アメーバ赤痢」の意味・わかりやすい解説

アメーバ赤痢
アメーバせきり
amoebic dysentery

原虫一種である赤痢アメーバ経口感染によって発病する大腸の潰瘍性炎症。細菌性赤痢に対するもの。急激に発熱し,特有のイチゴゼリー状の粘血便を 1日数回ないし十数回排便する。腹痛が激しく,数日のうちに死にいたる急性型と,緩慢に発病して下痢と腹痛を繰り返し,回復したかと思うとまた再発する慢性型とがある。細菌性赤痢との確実な鑑別診断は,検便によって赤痢アメーバを検出すること。肝膿瘍を併発することがある。治療薬としては塩酸エメチンが使われてきたが,テトラサイクリン系抗生物質も有効である。

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