日本歴史地名大系 「向岸寺」の解説 向岸寺こうがんじ 山口県:長門市通浦向岸寺[現在地名]長門市通青海(おうみ)島の東端、通(かよい)港に近い向岸寺山にあり、浄土宗、本尊は釈迦如来・観音菩薩・勢至菩薩。中世には禅宗寺院で西福(さいふく)寺と称したらしく、伝存の古写大般若経の奥書に「応永八年辛巳小春五日海運山西福禅寺住持比丘実伝」とある。その後西福寺は寺運が衰えて無住が続き、天文七年(一五三八)赤間関引接(あかまがせきいんじよう)寺(現下関市)の忠誉が再興して浄土宗に改め、海運山般若院向岸寺と号した。青海島一帯は北浦(日本海)の好漁場であり、とくに鯨群が回遊することから捕鯨業が発達し、浦人は鯨組を組織した。延宝年間(一六三七―八一)藩府の助成によって従来の縄網に代え苧網を採用して、捕鯨の技術が一段と進歩した。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by