温鉱泉1キログラム中に10ミリグラム以上の鉄分Fe(Ⅱ)+Fe(Ⅲ)を含む温泉。Fe泉と表記する。以前は鉄泉とよばれていたが、1978年(昭和53)の鉱泉分析法の改定により含鉄泉となった。温鉱泉1キログラム中に20ミリグラム以上含むと療養泉となる。含鉄泉のうち硫酸塩を含むものは鉄(Ⅱ)硫酸塩泉(緑礬泉(りょくばんせん))という。鉄は主として炭酸水素塩として溶存し、含有成分により鉄(Ⅱ)炭酸水素塩泉、鉄(Ⅱ)・カルシウム(マグネシウム)炭酸水素塩泉などに分類する。日本の温泉の約1%を占め、浴用としてリウマチなど、また飲用として貧血の治療に用いる。湧出(ゆうしゅつ)後炭酸ガス(二酸化炭素)が放出されると炭酸鉄、含水酸化鉄を生成し赤褐色の沈殿物を生成する。群馬県伊香保温泉(いかほおんせん)、兵庫県有馬温泉(ありまおんせん)などが代表的なものである。
[綿抜邦彦]
中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...