温鉱泉1キログラム中に溶存固形物1グラム以上で、その陰イオンの主成分が硫酸イオンの温泉。共存する陽イオンがNa+(+1価のナトリウムイオン)ならナトリウム硫酸塩泉(芒硝(ぼうしょう)泉)、Ca2+(+2価のカルシウムイオン)ならカルシウム硫酸塩泉(石膏(せっこう)泉)、Mg2+(+2価のマグネシウムイオン)ならマグネシウム硫酸塩泉(正苦味(しょうくみ)泉)という。酸性の硫酸塩泉は、鉄、アルミニウムを含みアルミニウム硫酸塩泉(明礬(みょうばん)泉)や鉄(Ⅱ)硫酸塩泉(緑礬泉)となる。日本の火山地域にはマグネシウムMg2+が主成分のものはほとんどない。硫酸塩泉は、ナトリウム硫酸塩泉、カルシウム硫酸塩泉が多くこれらは日本の温泉のそれぞれ3%程度を占める。塩化物を含む場合は、名称の最後に「塩化物」をつけ、「カルシウム・ナトリウム硫酸塩・塩化物泉」などとなる。ナトリウム硫酸塩泉は島根県の玉造(たまつくり)温泉、カルシウム硫酸塩泉は群馬県の水上(みなかみ)温泉などが知られる。
[綿抜邦彦]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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