炭酸水素塩(読み)タンサンスイソエン

デジタル大辞泉 「炭酸水素塩」の意味・読み・例文・類語

たんさんすいそ‐えん【炭酸水素塩】

炭酸水素イオンを含む多く水溶液として存在し、弱アルカリ性。リチウムを除くアルカリ金属アンモニウムカドミウム水銀(Ⅱ)などの塩が安定であり、熱すると固体として取り出せる。酸性炭酸塩

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精選版 日本国語大辞典 「炭酸水素塩」の意味・読み・例文・類語

たんさんすいそ‐えん【炭酸水素塩】

  1. 〘 名詞 〙 炭酸に含まれる二個の水素原子うち、一個を金属類で置換してできる塩の総称。化学式 MIHCO3 溶液としては多くのものが知られるが、固体としてとり出せるものはナトリウム塩、カリウム塩、アンモニア塩などで余り多くない。固体は加熱によって二酸化炭素を放って炭酸塩にかわる。重炭酸塩。酸性炭酸塩。

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化学辞典 第2版 「炭酸水素塩」の解説

炭酸水素塩
タンサンスイソエン
hydrogencarbonate

MHCO3.酸性炭酸塩ともいう.多くは水溶液としてしか存在しないが,アルカリ金属(リチウムを除く),アンモニウム,カドミウム,水銀(Ⅱ)塩だけが固体で得られている.可溶性炭酸塩あるいは水酸化物水溶液に二酸化炭素を吸収させるか,不溶性炭酸塩を炭酸水に溶解するか,または炭酸水素カリウムを金属塩化物で複分解することにより得られる.アルカリ金属塩の水への溶解度は相当する炭酸塩よりも小さい.水溶液は加水解離によりアルカリ性を示す.

MHCO3 + H2O MOH + H2CO3

また,酸を加えると二酸化炭素を発生する.加熱すると容易に分解して二酸化炭素と水を放って炭酸塩になる.炭酸塩や金属酸化物の製造,医薬品(制酸剤)に用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「炭酸水素塩」の意味・わかりやすい解説

炭酸水素塩
たんさんすいそえん
hydrogencarbonate

酸性炭酸塩と呼ばれることもある。 HCO3- を含む塩で,アルカリ金属,アンモニウム,水銀 (II) などの塩が安定である。熱すると炭酸塩に変る。アルカリ金属塩は水に溶けて弱アルカリ性を呈する。酸によって容易に分解し,二酸化炭素を発生する。アルカリ土類金属の塩は水溶液中でだけ安定で,加熱すると分解して炭酸塩が沈殿する。

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栄養・生化学辞典 「炭酸水素塩」の解説

炭酸水素塩

 炭酸の水素一つを金属で置換した塩.

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