(読み)トツ

デジタル大辞泉 「吶」の意味・読み・例文・類語

とつ【吶】[漢字項目]

[音]トツ(慣) [訓]どもる
どもる。口ごもる。「吶吶
大声で叫ぶ。ときの声をあげる。「吶喊とっかん

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「吶」の読み・字形・画数・意味


7画

(異体字)
7画

[字音] トツ・ドツ
[字訓] どもる・くちごもる

[説文解字]
[甲骨文]
[その他]

[字形] 会意
正字はに作り、(内)+口。台座の形。口は祝を収める器((さい))の形。〔説文〕三上に「言の訥(とつ)なるなり」とし、訥と同義とする。(商)・(いつ)・裔(えい)はみなこの形に従い、台座の上に物を樹てている形で、祝に関係のある字である。訥とは、その祈るときの語調をいうものであろう。

[訓義]
1. どもる、くちごもる。
2. ゆるやかにいう、ききとりにくい、みそかごと。

[古辞書の訓]
名義抄〕吶 ヒソカゴト・コトドモリ 〔字鏡集〕吶 ミソカゴト・コトドモリ

[部首]
〔説文〕〔玉〕にを属する。裔もこの部に属すべき字である。は台座に矛(ほこ)を樹てて巡撫省(いつせい)を行う意。は大きな辛(刑罰権を示す刃器)を樹てる形、もと天意に商(はか)る意。裔は上に衣を懸けて先祖を祀り、受霊を行う意で、その末裔の意となる。吶・訥は(とつ)の声義を承け、その祈る声をいう。

[声系]
〔説文〕に裔を声とするが、声が合わず、会意。また(けい)を声とするが、これも声が合わず、上部は冠飾のある鳥の形、下部は台座と祝告の形。鳥を携えて鳥占(とりうら)を行う字である。

[語系]
吶・・咄tutは同声。訥nutは声が近い。嵒・聶・niapは多言、これに対して吶・訥は難言、言いしぶることをいう。語彙は訥字条参照。

[熟語]
吶喊吶吃吶口吶者・吶吶・吶鈍

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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