精選版 日本国語大辞典 「吸取紙」の意味・読み・例文・類語 すいとり‐がみすひとり‥【吸取紙】 〘 名詞 〙① インクを吸い取る紙。インクで書いた上から押し当てて、その水分を吸い取る紙。押し紙。〔改正増補和訳英辞書(1869)〕[初出の実例]「撫でた指の頭を机の上にあった吸取り紙の上へうんと押しつける」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九)② 人の言うことをすぐ信じてしまう人のたとえ。お人よし。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
改訂新版 世界大百科事典 「吸取紙」の意味・わかりやすい解説 吸取紙 (すいとりがみ)blotting paper インキを吸い取らせ,筆記後の乾燥を速める目的に使用される,かさ高の紙。紙のおもな原料である木材パルプは水に対して高い親和性をもっている。また紙は多孔性であるから水をよく吸収する。普通の紙はサイジングをして水の浸透速度を低くしているのに対し,吸取紙はサイジングをせず,紙固有の親水性を利用する。化学パルプおよび砕木パルプを用い,叩解(こうかい)やプレスをあまり行わないで作る。執筆者:臼田 誠人 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「吸取紙」の意味・わかりやすい解説 吸取紙すいとりがみ 紙面に残ったインキを吸い取る紙。押し紙ともいう。19世紀後半にイギリスから広まったが、日本では1872年(明治5)にインキが輸入されてから使用された。1887年ごろから漉(す)き出され、緋金巾(ひかなきん)(赤く染めた木綿の布)類を主原料としていたころは、脱色が不十分なために薄赤色をしていたが、木材パルプを原料とするようになってから白色のものができた。填料(てんりょう)を加えて漉き、脱水を緩やかにし、低温度で長く乾燥させて繊維間隙(かんげき)を多くしてある。[町田誠之] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
百科事典マイペディア 「吸取紙」の意味・わかりやすい解説 吸取紙【すいとりがみ】 インキ等を吸い取らせ,乾燥を早めるために用いられる紙。原料には木綿ぼろ,化学パルプ,砕木パルプなどを使うが,サイジングを施さず,吸収性がよい。→関連項目吸収紙 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報 Sponserd by