吹上る(読み)フキアガル

デジタル大辞泉 「吹上る」の意味・読み・例文・類語

ふき‐あが・る【吹(き)上(が)る/噴(き)上(が)る】

[動ラ五(四)]
(吹き上がる)風が下から上に向かって吹く。また、物がその風によって上方へあがる。「砂塵が―・る」
水・蒸気などがわきあがったり、上へふき出したりする。また、その勢いに押されて物が上へあがる。「やかんのふたが―・る」
激しい感情がわく。「怒りが―・ってくる」
わたしなかにすべての悔恨が―・つてくる」〈原民喜鎮魂歌

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吹上る」の意味・読み・例文・類語

ふき‐あが・る【吹上・噴上・吹揚】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 空気が低い所から高い所へ勢いよく移動する。下から上へ向かって風が吹く。また、その風によってものが空高くのぼる。
    1. [初出の実例]「然しそこにはもう火の気もたえだえで、吹き上るほこりさへもなくなってゐる」(出典:山の鍛冶屋(1926)〈宮嶋資夫〉一)
  3. 水や蒸気などがわき上がったり空中にほとばしり出たりする。また、その力によって上にのっていたものが持ち上がる。転じて、激しい感情などがわき上がる。
    1. [初出の実例]「牛とらの角に七つの壺あり、蓋ふきあかる程、今極め一歩銭などは砂のごとくにしてむさし」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)五)
    2. 「感情が抑えきれぬほどの激しさでふき上るのを意識した」(出典:休暇(1974)〈吉村昭〉一)

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