(読み)ウン

精選版 日本国語大辞典 「吽」の意味・読み・例文・類語

うん【吽】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] hūṃ の音訳 ) 仏語。口を閉じた時の音声。開いた時の音声「阿(あ)」に対するが、「阿吽」と熟合して、一切の音声言語はこの二字に包含されるとする。
    1. [初出の実例]「口を閉、気を収れば、吽の声あり。鼻端より出入して命息と成る」(出典:真言内証義(1345))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「吽」の読み・字形・画数・意味


7画

[字音] ウン・コウ・ゴウ・イン
[字訓] ほえる・うなる

[字形] 会意
牛+口。獣が吠え、かみ合う。本音は「コウ」。また・吼・に作る。仏教語で阿吽(あうん)のように用いる。

[訓義]
1. ほえる、うなる、かみあう。

[古辞書の訓]
名義抄・吽 クチサキラ/吼・ イビキ・ヨバフ・ホユ・ナク

[熟語]
吽吽吽呀・吽

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【阿吽】より

…いっさいの字,いっさいの音声はaを本源とするから,a字は諸法の本初を表す。また,〈吽〉字は口を閉じた最後の音で,諸法の終極を表す。したがって〈阿吽〉の2字をもっていっさいの存在者が生起する根源たる実相(諸法の存在論的根拠たる存在そのもの)と,智慧をもって迷いを破してその本源へ帰滅すべきであるという存在の真実を表現する。…

※「吽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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