唐皮(読み)カラカワ

デジタル大辞泉 「唐皮」の意味・読み・例文・類語

から‐かわ〔‐かは〕【唐皮/唐革】

とら毛皮敷皮尻鞘しりざやなどに用いる。
虎の毛皮でおどした平家重代よろい
「重代の鎧―といふ着背長きせながをば、唐櫃からびつにいれて」〈平家・五〉
江戸時代オランダから渡来した羊または鹿のなめし革
「空より―の巾着きんちゃく舞ひ下がり」〈浮・禁短気・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「唐皮」の意味・読み・例文・類語

から‐かわ‥かは【唐皮・唐革】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. 虎の毛皮。敷皮、尻鞘(しりざや)などに用いる。中古以後、布などに虎を描いたものも虎の皮というので、それを区別していう。
      1. [初出の実例]「友忠給唐皮一枚、是永給胡籙弓各一」(出典:左経記‐長元七年(1034)八月二日)
    2. オランダなどから渡来した皮革。特に、羊や鹿などの柔らかいなめし革。金泥で種々の文様を押した。金唐皮(きんからかわ)
      1. [初出の実例]「唐革(カラカハ)巾着」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)一)
      2. 「大きな定紋の付いた唐皮(カラカハ)の箱には」(出典:家(1910‐11)〈島崎藤村〉上)
  2. [ 2 ] 平家重代の鎧(よろい)の名。虎の毛皮で威(おど)してあったところからいう。
    1. [初出の実例]「抑(そもそも)唐皮といふ鎧、小烏といふ太刀は、平将軍貞盛より当家につたへて」(出典:平家物語(13C前)一〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android