デジタル大辞泉 「尻鞘」の意味・読み・例文・類語 しり‐ざや【尻×鞘】 雨露から保護するために、太刀の鞘を覆う毛皮の袋。豹ひょう・虎とら・熊くま・鹿・猪いのししなどの毛皮で作り、遠行・戦陣などの際に用いた。毛鞘。しざや。しんざや。 し‐ざや【▽尻×鞘】 「しりざや」に同じ。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「尻鞘」の意味・読み・例文・類語 しり‐ざや【尻鞘・後鞘】 〘 名詞 〙 雨露や暑気を防ぐために太刀の鞘を包む毛皮の袋。豹・虎・熊・鹿・猪などの毛皮を用い、祭の供奉の風流には左筆(さひつ)と呼んで描絵(かきえ)のものを用いる。競馬の木太刀は板に斑文(ふもん)を描いて板尻鞘という。しざや。しんざや。〔新儀式(963頃)〕尻鞘〈春日権現験記絵〉[初出の実例]「猪(ゐ)の逆頬(さかつら)の尻鞘したる太刀帯(たい)して、鹿の皮の沓履たる有り」(出典:今昔物語集(1120頃か)二三) しん‐ざや【尻鞘・後鞘】 〘 名詞 〙 =しりざや(尻鞘)[初出の実例]「ねりつばの黒漆(こくしつ)の太刀三尺八寸有けるに、熊皮の尻鞘(シンザヤ)入れてぞはきたりける」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上) し‐ざや【尻鞘】 〘 名詞 〙 =しりざや(尻鞘)[初出の実例]「豹の皮のしざやある御佩刀(はかし)奉りて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例