唐鋤(読み)カラスキ

デジタル大辞泉 「唐鋤」の意味・読み・例文・類語

から‐すき【唐×鋤/×犂】

柄が曲がっていて刃の広いすき。牛馬に引かせて田畑を耕すのに用いる。うしぐわ。
唐鋤星」の略。

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精選版 日本国語大辞典 「唐鋤」の意味・読み・例文・類語

から‐すき【唐鋤・犂】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 農具一種。柄(え)が曲がっていて刃が広く、牛馬に引かせて田畑を耕すのに用いる。牛鍬(うしぐわ)
    1. 唐鋤<b>[ 一 ]</b>〈大和耕作絵抄〉
      唐鋤[ 一 ]〈大和耕作絵抄〉
    2. [初出の実例]「犂(カラスキ)」(出典:聖語蔵本願経四分律平安初期点(810頃))
    3. 「牛どもにからすきかけつつ、男(をのこ)ども緒持ちて鋤(す)く」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)
  2. [ 2 ] 「からすきぼし(犂星)」の略。
    1. [初出の実例]「参(カラスキ)の宿、みつ星や、三角星天蝎宮、無限に曳ける光芒のゆくてに思馳するなく」(出典:海潮音(1905)〈上田敏訳〉大饑餓)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「唐鋤」の意味・わかりやすい解説

唐鋤
からすき

農耕具の一種で,日本ではウシ,ウマに引かせて耕す (すき) のことをいう。古墳時代後期に大陸から伝来したもので,現在発見されたものは犂先のみ。なかでも島根県益田市匹見町広瀬から出土したものは原形をとどめている。これは犂先が鉄製でU字形をなし,外側に刃をつけて内側に柄部が挿入されたもので,長さ 25cm,幅 18cmある。このほか正倉院の「子日手辛鋤 (ねのひてからすき) 」は完全な姿を残し,農具の歴史を知る貴重な資料である。

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