善慶(読み)ぜんけい

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「善慶」の解説

善慶 ぜんけい

1197-1258 鎌倉時代の仏師
建久8年生まれ。奈良西大寺叡尊(えいそん)に重用される。建長元年銘の西大寺の清凉寺式釈迦(しゃか)如来立像,奈良般若(はんにゃ)寺の文殊菩薩(もんじゅぼさつ)像,鎌倉極楽寺の釈迦如来坐像などを制作。従来善円の子(もしくは弟子)とされてきたが,昭和58年善円と生年が一致することがわかり,両者の同一人説が有力となった。正嘉(しょうか)2年7月死去。62歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「善慶」の意味・わかりやすい解説

善慶
ぜんけい

[生]建久8(1197)
[没]正嘉2(1258)
鎌倉時代後期に奈良で活躍した善派の仏師。大仏師法橋善慶。建長1 (1249) 年に増金,行西,盛舜らを率いて奈良,西大寺の『清涼寺式釈迦如来像』,同7年に奈良,般若寺の『丈六文珠菩薩像』などを制作。なお,善慶という名の仏師は,室町時代から江戸時代にかけてほかに3人いる。

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世界大百科事典(旧版)内の善慶の言及

【善派】より

…鎌倉初期から中期にかけて奈良を中心に造像活動を行った仏師の一派。善円(生没年不詳),善慶(?‐1257)など善の一字を付した名の人物たちなのでこうよばれている。この一派は西大寺中興の叡尊と深い関係があったらしく,善円作の愛染明王像,善慶作の釈迦如来立像など西大寺の像は叡尊の発願で造立され,善慶の子善春(生没年不詳)は80歳の叡尊像(1280)を製作している。…

※「善慶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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