善照坊(読み)ぜんしようぼう

日本歴史地名大系 「善照坊」の解説

善照坊
ぜんしようぼう

[現在地名]金沢市長土塀二丁目

吉藤山と号し、浄土真宗本願寺派本尊阿弥陀如来二尊仏にそんぶつと通称される。寺伝によれば、開祖円乗はもと河北かほく八幡やわた村の真言僧で浄教坊と号したが、文明年中(一四六九―八七)蓮如の北国巡錫の際真宗に改宗し、石川郡吉藤よしふじ村に居を定めたという。明応七年(一四九八)四月二八日、同郡大野おおの庄吉藤専光せんこう門徒証賢が蓮如から親鸞蓮如連坐像を下付されており(善照坊蔵親鸞蓮如連坐像裏書、「三ヶ国末学衆申物並五尊諸事御書出跡留之帳」専光寺文書)、当時専光寺の門徒であった様子がうかがえる。享禄錯乱において同寺とともに賀州三ヵ寺派に属して敗北し、門徒は本願寺の直参になったものと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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